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Replog!大阪のITサービス会社Rep1代表のブログ

コア事業分析と課題について・・・その1(SWOT分析)

2006.08.17 カテゴリー: 会社運営

株式会社レップワンの現在のコア事業はIT人材派遣事業である。
先の記事にも書いたが、人材派遣事業の利益をあげるには
———————–
・稼動人数を増やす
・稼動単価を上げる
・コストを減らす
・稼動空き要員を減らす
———————–
という大前提がある。
さて、事業分析と現状の課題について書きたい。
まず現状分析である。レップワンの現在は
”営業力、知名度不足”
であることは明らかである。その上で、SWOT分析とマーケティングミックス(4P)分析を行う。
●株式会社レップワン IT人材派遣事業 SWOT分析
S(強み)
・要員が若い(勢い先行で型にはまらないチャレンジができる)
・組織が小さい(意思決定が早い)
・正社員派遣(会社看板に対する組織とスタッフによる責任共有)
・社内情報の共有(数字のオープン化による一体感)
・一定レベルのサービス提供(顧客と問題を起こす人間がいない)
・インフラに特化(サーバ、ネットワーク機器の運用に特化している)
・スタッフ報酬が高い(業界同等スキルであれば報酬が高い)
 
W(弱み)
・知名度がない(顧客からの引き合い、技術者の認知度が低い)
・代表の人脈に頼った営業(営業スキームが確立できていない)
・情報収集力が弱い(業界に太いパイプがない)
・技術力、会社実績に乏しい(突出した技術力、会社として達成した実績不足)
・組織力がない(事業開始から1年半。まだスタッフ人数が少ないので、部署やチームとしての稼動ができていない)
・スタッフのモチベーションコントロール不足(会社からスタッフへ、目標達成の動機付けが足りない)
・財務面(無借金経営ではあるが、大資本はない)
・サービスは人材個々のパフォーマンスに頼っているため、パッケージとしてのサービス・商品がない(今後受託などを行なっていく場合は必要)
 
O(機会)
・業界(SI業界)における慢性的な人手不足(ITアウトソーシング市場拡大による案件増加)
・IPv6やワイヤレスなど新技術が開発、展開されている(特定技術に特化した技術者派遣など)
・インフラ技術者の引き合いは多い(システム運用管理フェーズにおいて、マンパワーの確保は必須である)
・偽装請負問題の解決など、労働者環境の改善(レップワンのスタッフは全て直接雇用)
・業界の問題点が明らかになりつつある(悪しき会社による、低い顧客向けパフォーマンス、低賃金のスタッフ雇用はNG)
 
T(脅威)
・技術者派遣事業は安定期に入ったサービスであり急成長はない(ビジネスライフサイクルにおいて”誕生・成長”期ではない)
・派遣事業は市場参入が容易であるため競合が多い(まだまだ参入会社が増える予想)
・大手派遣会社が正社員採用を開始している(正面衝突の場合、スケールによる敗北が予想される)
・単価の頭打ち傾向(たとえば7年前はCisco技術者=高評価+高単価 であったが、市場論理(供給増>価格安)による単価下落)
 
S×O(強み×機会=積極的攻勢)
・人の流れを引き寄せる(トラフィックを生み出す)
・レップワンの知名度を向上させる(広告宣伝の強化)
・営業強化(Webマーケティングの活用)
・さらなるサービスのオープン化を行なう(レップワンの人材派遣はブローキングビジネス(手数料収入)と定義する。ノウハウを蓄積し定率サービスの提供によって収益をあげる仕組みを作る。賃貸不動産業界における、レオパレスやエイブルなどはその最たるものである。人材派遣業界の慣習に疑問を投げかける。)
・常に、ブランディングと市場を意識したサービス提供とプライシングを行なう(ダンピングによって仕事を請けても長い目で見てハッピーにはならない)
 
S×T(強み×脅威=差別化戦略)
・すでに実施している差別化(正社員契約、単価オープン)などをさらに関係者にアピールする。
・人材派遣ビジネスについて、お客様に向けた新しい課金スタイルを確立(小手先ではない課金体系を作る)
・既成の派遣会社にはない企画を実現する(エンジニア向け業務支援サービス立ち上げなど)
・大手、他社の人材営業マンがやっていることの2倍。できないことを当たり前にできることを目標として動く(社内において、営業サイドと技術サイドの密接な関係を築く)
 
W×O(弱み×機会=段階的方策)
・パイ(技術者)の奪い合いに負けないようにする(現場営業や紹介強化による人材スカウト)
・会社ホームページなどの充実化によって、知名度やGoogle検索上位表示を狙っていく
・技術力・経験のある外部人材との連携・交流を通じて内部蓄積、サービス開発を行なう
 
W×T(弱み×脅威=専守防衛 or 撤退)
・ムリなアクションは打たない(大資本投下=会社経営を圧迫するような策は打たない)
・業界の特性から起用人材会社の乗り換えは短いスパンでは達成し難しい。そのあいだも現状を必ず守ること(他社シェアは簡単には奪えない。現状を守り、せめて負けない構図を作ること) 
・経費節約(知恵を絞り間接業務は簡素化し、自分たちでできることは自分たちでする。だが、モチベーションを下げるような節約はしない)
 
—-
人材派遣事業において、後発のレップワンが今後伸びる理由はたくさんある。
知名度ゼロ、人脈ほぼゼロ、お金ほぼゼロで立ち上げたレップワンがここまで生き延びているのは、現在の参画スタッフが将来を信じ、リスクテイクしたからである。少なくとも8人の”信と同意”は集めている。
レップワンの事業姿勢は間違っていない。
これからもたくさんの壁はあるだろう。耐えしのび、もっと真剣に、もっと体と頭を使えば必ず道は拓ける。
しかし、点で勝つだけではよろしくない。面で勝つことを目標としなければいけない。面の対戦方法を見誤ると失敗する。面対面で向かうと負けることはわかっている。一点一点の突破を重ね、結果的に敵に先んじればよい。そのためにも明日を見据え、今日を磨き、内外から魅力的な会社にすることが大事である。
 
次回は、「マーケティングミックス(4P)分析について」書きます。

プロフィール

株式会社レップワン
代表取締役 福田兼児

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